
2026.06.05 卓話:「特別な支援が必要な子どもの就学の状況等について」 岡崎市教育相談センターそよかぜ相談室 酒井洋一様、会長あいさつ
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卓話者の紹介:本田会長
本日は「そよかぜ相談室」から酒井先生にお越しいただきましたので、お話を伺いたいと思います。
皆さんは「そよかぜ相談室」の役割をご存じでしょうか。ここは、保育園や幼稚園から小学校へ進学する、特につまずきのある子どもたちの相談を受ける大切な場所です。子どもの力量やその時のありように合わせて、通常学級、支援学級、あるいは支援学校といった選択肢の中から、どこがふさわしいかを適切に判断し、導くお手伝いをしています。もし合わない環境を選んでしまうと、小学校生活が楽しくない、意味のない時間になってしまうからです。
昨年も200人ほどの子どもたちの相談に乗っていただきました。よく言われる「1年生の壁」は、つまずきのある子どもたちにとって特に大きな課題です。本日は酒井先生に、相談室の役割についてお話しいただきます。
それでは酒井先生、よろしくお願いいたします。
卓話:「特別な支援が必要な子どもの就学の状況等について」 岡崎市教育相談センターそよかぜ相談室 酒井洋一様
皆さま、こんにちは。岡崎市教育相談センター、そよかぜ相談室長の酒井洋一です。本日は、特別な支援が必要なお子さんの就学状況や、それぞれの教育内容についてお話しいたします。当相談室では、主に小学校へ上がるお子さんの就学相談を承っており、現在は元教員のスタッフ5名で、年間約200人もの相談に対応しています。
現在の岡崎市の就学状況ですが、1学年約3,000人のうち、通常の学級に進む子が約95%、小学校の特別支援学級が約4.8%(20人に1人)、特別支援学校が約1%(100人に1人)となっています。
ここで注目すべきは、全体の児童数が減っているにもかかわらず、特別支援学級の人数はこの13年間で3倍に増えているという点です。これは、少人数での手厚い支援を希望される保護者の方の理解が進んでいる一例だと言えます。
就学先には、それぞれの特徴と専門性の違いがあります。
通常の学級:担任1人での一斉指導が中心となるため、個別対応にはどうしても限界があります。
特別支援学級:8人を基準とした少人数制です。一人ひとりに時間をかけ、個々の力量に合わせた柔軟な指導が可能です。現在は支援学級出身者の約半数が高校などへ進学する時代であり、通常の学級と一緒に授業を受ける「交流学習」も盛んに行われています。
特別支援学校:生活中心の学びの場です。小学校の先生が「教科を教えるプロ」であるのに対し、支援学校の先生は、言葉や着替え、排泄といった「生活自立や初期コミュニケーションのプロ」です。お子さんの状態に合わせて、どちらの専門性がふさわしいかを見極めることが大切です。
そして最も重要なのは、「就学先の決定権は保護者にある」ということです。最終的には教育委員会も保護者の意向を尊重して決定を下します。
さらに、一度決まったコースがずっと続くわけではありません。就学後もお子さんの成長や状況に合わせて、通常の学級と支援学級の間の「転級」や、特別支援学校への「転校」などを柔軟に行うことができます。
最後になりますが、今は学校教育だけでなく、放課後等デイサービスなどの福祉(療育)との連携も非常に充実しています。これからは、親、学校、そして福祉の3者が手を取り合ってお子さんを支えていく時代です。
本日お話しした就学の実態を一つの参考に臨んでいただければ幸いです。今後とも子どもたちのために、温かいご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
会長あいさつ
先日の家族親睦例会にご参加いただき、誠にありがとうございました。天候にも恵まれ、三河湾でのヨットやバーベキューを心から満喫していただけたようで大変嬉しく思っております。中にはお酒が進み、電車の終点まで行ってしまわれた方もいたようですが、それほど楽しい一時であったなら何よりです。
さて、昨年ユニセフが報告した世界の「子どもの幸福度」ランキングをご存じでしょうか。世界43カ国を対象とした調査で、総合1位はオランダ、日本は14位でした。しかし、日本は「精神的幸福度」が32位と低く、「学業はできても自分の人生に満足していない」という深刻な課題を抱えています。その背景には、いじめや受験ストレス、将来への不安、家族とのコミュニケーション不足などがあると指摘されています。一方、1位のオランダでは学業成績よりも「子どもの感情の安定」を大切にしています。親が忙しすぎず、子どもの意見を尊重し、家族で食事をする。こうした安心できる環境が、子どもの自尊心や自己肯定感を育みます。人生に失敗やつまずきは避けられません。そんな時でも自分を信じて歩んでいける心、すなわち「非認知能力」こそが幸福度の礎となります。そして、この大切な能力を培うのが他ならぬ幼児期です。だからこそ幼児養育がとても重要なのだということを皆様にお伝えし、私のお話とさせていただきます。